SDGs

フェンシング・見延和靖さんに聞く「折れ剣再生プロジェクト」に懸ける想い

フェンシング・見延和靖さんに聞く「折れ剣再生プロジェクト」に懸ける想い

2022年1月19日、一般社団法人日本スポーツSDGs協会は、
フェンシングの練習や試合で折れた剣を再生利用する「折れ剣再生プロジェクト」の発足を発表。
これを発足したのは、東京2020オリンピック フェンシング 男子エペ団体で金メダルを獲得した見延和靖さん。
今回は見延さんに、このプロジェクトに懸ける想いを聞きました。
再生した剣やメダルを普及に繋げたい
――
このプロジェクトに発足した理由を教えてください。
見延
やはり、長年続けてきたフェンシングに恩返しができるというのが発足の理由です。今回は日本フェンシング協会の協力をいただき、私たちトップ選手が使用し、折れた剣が再利用されることになりました。それを剣やメダルなどに再生し、フェンシングの体験会や大会などで活用できることで、フェンシングに興味を持つ人が少しでも増えてくれればと思っています。
また、フェンシングを始めた高校生の時から「折れた剣」の廃棄については気にしていました。“折れた剣を再利用することができないのか?”という考えは常にあり、長年抱いていた課題をこの協会と解決することができると思ったんです。フェンシングのほかに、ナイフや他のスポーツのギアにも使われる可能性もあるので、今後私たちの剣がどのように社会に出ていくのか、今からとても楽しみです。

フェンシング・見延和靖さんに聞く「折れ剣再生プロジェクト」に懸ける想い

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実際の剣でフェンシングを始めるのはハードルが高いのでしょうか。
見延
そうですね。ジュニアといっても実際に剣を購入すると、1万円前後の費用が掛かります。それがネックになり、“面白そうだから初めてみよう”と思っても金額を聞いただけで、フェンシングが選択肢から外れていくという事があります。でも、私の想いとしては、“本物の剣”をジュニアのときから握って、リアルなフェンシングを体験してほしいんです。本プロジェクトでは、その問題を解消することが可能ですし、私たちが使っていた剣がジュニアたちに使われると思うと、“繋がっている”って感じられるので、それを考えただけで、とてもワクワクするんですよね!
将来的には、全日本フェンシング選手権のような公式大会のメダルになればとても良いですよね。実際に、私が獲得した東京五輪での金メダルも全国各地から集めたリサイクル金属で作られています。持続可能な社会を作る取り組みとして、こういった事を率先してやっていきたいですね。
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今回のプロジェクトでは地元の企業も協力してくれていますね。
見延
私の出身地である福井県越前市で刃物などの材料を製造する「武生特殊鋼材」に回収した折れた剣を持ち込み、色々なものに再生していただくことになりました。やはり、地元への恩返し、地元を盛り上げていく想いも形にしたかったので、今回の協力は本当に感謝しています。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、海外に行くことができず、国内での合宿が増え、日本にもまだまだ知らない良い物や文化、伝統などを再確認することができました。将来は地元だけではなく、日本全国の職人さんたちの技術を世界に伝えていけいけるような事が、本プロジェクトを通してできるようになればと考えています。
――
最後に見延さんにとってのSDGsを教えてください。
見延
地元の福井県は今でも多くの自然がありますが、やはり昔あった川がなくなるなど、少しずつ自然が減ってきているように感じています。人間だけの地球だけではないので、きちんと共存していける持続可能な社会を実現していく必要があります。だからこそ、私が長年やってきたフェンシングが、SDGsの一助になるということはとても嬉しい事です。そして、今回の「折れた剣を再生するプロジェクト」というは、海外でも行っておらず、日本が初の取り組みになると思います。このプロジェクトを世界の方にも知っていただき、参考してほしいですね。

2022年1月19日会見